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インタビュー

【ずっと身近におきたいものを作る】「OLN」第6回 仕事を続けるために変えるもの。残すべきもの。

絹の様な人たちがモノを作る時に、何を想い作っているのか。

直接お伺いし話を聞いてみたい。ということで今回お話しをお伺いしたのは

桐生に工房を構える「OLN」さん。

織物業を営む上で、直面する業界全体が抱えるさまざまな問題。

その問題を背負うのではなく、どう省くか。

従来の業界が決めた道をなぞる成功から外れ、自分たちの幸せをしっかりと見つめ直す。

そのことを「きれいごと」と表現した上で、成立させるために何を考えているか。

オリジナリティの作り方のヒントが今回見えた気がします。

「OLN」さんのプロフィール

OLN(オルン)は2014年、群馬県桐生市にある井清織物で
和装の帯を織る夫婦、井上義浩さん、忍さんの二人ではじめた活動名だそうです。

「織物で日々の暮らしを彩る」ための
生活雑貨やストール、そして帯のブランド名であり、
これからの織物業の在り方を自由かつ誠実に考え
実践するためのその全てを含めて「OLN」としています。

OLNは桐生の方言「織るん?」から来ています。
私たちは日々生まれる織物のアイデアを形にしています。

→「OLN」についてもっと詳しく知りたい方はこちら。

一番じゃなくても「続くやり方」を考えた方が良い。

左・木島さん 中・井上忍さん 右・井上義浩さん

井上義浩さん(以下:よしさん)

ぼくは仕事中に「そのやり方で、この仕事が続くかな?」

っていうことをよく言ったり、考えたりするんですよね。

実際に今の繊維業界って、力が弱いところに「シワ寄せ」が行きやすい形になっているんですよ。

弱いところとはつまり「立場的に文句の言えない人たち」って感じなんですが。

 

── 業界の中でも大手に比べて、弱い立場にいる人たちのことですね。

 

よしさん 僕の場合、たまたま、そう言う人たちから話を伺う機会が何度かあって。

自分から話を伺う...というよりは、耳に入ってくる。と言う方が良いのかもしれません。

 

で、最終的にその人達の「シワ寄せ」の話は同じ業界の僕たちにとっても他人事じゃないわけですよ。

途中工程を任せていた職人さんがこれ以上頑張れない。と言って辞めてしまったり、

後継者が育たない業界存続の問題だったり。

 

その状況があった上で、僕らの今の仕事をなるべく長く続けるためにはどうすれば良いか。

今、自分たちが言ったような業界の負担を背負い込みすぎないように、

さらに「業界で一番強い会社」みたいにならなくても成立するようなルールを模索中ですね。

 

人の描いたゴールと、自分たちの求めるゴールは決して同じではない。

よしさん そういう「一番じゃなくても成立する仕事」を考えるときに必要なのが、

一人でいる時間だと僕は思っているんですよ。

多分、都会のように、毎日人と接触していると自分独自の考えが揺らぐ...というか。

一般的にいう「きれいごと」だと思うんですよ。僕らがやろうとしていることって。

 

ただ、それがちゃんと成立するってことを僕は証明したいんですよね。本当に。

 

僕はそういうアイデアを練るために、

あえて、籠ることだったりとか、人と会うことを少なくする時間を作ったりしてますね。

むしろ、家族と一緒にいる時間を大事にすることで、

ちょっとずつ今の仕事が成立する方法が見えてきている...

...妄想かもしれませんがね苦笑

 

── ちょっとずつ前に進むって、色々と試してみるって中から生まれますもんね。

日々考え抜いたからこそ、今までにないもの。オリジナルが生まれるような気がします。

 

よしさん それでいうと、僕らは王道のやり方に弾かれた側の人間なんです。

父親や周りがやっている従来のやり方が僕らには合わなかったし、

たとえ、従来のやり方でうまくいったとしても、

行き着く結果が自分たちのゴールイメージとは重ならなかったんですよね。

 

従来のものでも、残していきたいと心から思えるものは残す。

井上忍さん(以下:しのさん) ただ、従来のものでもやっぱり残したいと思えるものがあったんですよ。

例えばその一つが「工場」。

機織り機が並ぶOLNの工場

私が最初にこちらに来た時は、工場の中が雑然としていたんですよ。

ホコリがすごいし、制作に必要ないものが多くて。

ただ、工場そのものの「佇まい」はかっこいい!!って純粋に思えたんですよ。

これは残したい。残せたらいいな!と心から思えました。

この工場で、ものづくりがしたいと思えたんですよね。

 

(つづきます。)

  • この記事を書いた人

酒井 公太

silkypeopleのウェブ担当であり、プランナー。 フリーランスで町おこしや企業のプランニングをなりわいとしています。 天真爛漫な幼い娘の髪を撫でている瞬間が一番の幸せ。ただ、その娘に「おとうさんは、おとなげない。」と言われていろいろと複雑な気持ちになりました。

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