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インタビュー

【ずっと身近におきたいものを作る】「OLN」第5回 田舎暮らしの本当は、田舎でしか学べない。

絹の様な人たちがモノを作る時に、何を想い作っているのか。

直接お伺いし話を聞いてみたい。ということで今回お話しをお伺いしたのは

桐生に工房を構える「OLN」さん。

「田舎暮らし」と聞くと、都会の人からみたら悠々自適な生活をイメージするかもしれません。

ただ、それはあくまで喧騒に巻き込まれた「都会人からみた田舎」なんですよね。

もし悠々自適な田舎暮らしを実現したいなら「自分のペース」をしっかり作ること。

結局、田舎にいても都会にいても、今この瞬間を大事にする姿勢が重要かも...と感じる部分がありました。

今回もSilky peopleのアパレル兼ブランドマネージャーを担当している木島さんにも

一緒にお話しをお伺いしようと思っています。

「OLN」さんのプロフィール

OLN(オルン)は2014年、群馬県桐生市にある井清織物で
和装の帯を織る夫婦、井上義浩さん、忍さんの二人ではじめた活動名だそうです。

「織物で日々の暮らしを彩る」ための
生活雑貨やストール、そして帯のブランド名であり、
これからの織物業の在り方を自由かつ誠実に考え
実践するためのその全てを含めて「OLN」としています。

OLNは桐生の方言「織るん?」から来ています。
私たちは日々生まれる織物のアイデアを形にしています。

→「OLN」についてもっと詳しく知りたい方はこちら。

「木島さん」のプロフィール

Silky Peopleの発起人であり、ブランドマネージャー。

アパレル担当で、実はこの記事の写真も主に木島さんが撮影されています。

群馬県桐生市出身JYUNYA WATANABEチーフパタンナーに就任後、
イオントップバリュ㈱で衣料商品企画開発部のチーフクリエイティブデザイナーに就任。
2011年に個人事業主として起業。2014年、株式会社Huggyhuggy(ハギーハギー)設立。
2015年、株式会社フクルを設立。

田舎の生き方と暮らし方を、田舎に興味がある人に継承する。

左・木島さん 右・OLN井上忍さん

木島さん 地元の桐生に拠点を移してから、この土地での暮らし方みたいなことを下の世代に伝えていきたいって気持ちもでてきましたね。

だって、

東京にいたら、夏の時期に知り合いの農家さんから大量にもらったきゅうりの使い方なんて考えませんよね笑

東京ではきゅうりは「もらう」ものではなく、「買う」ものですから。

 

井上忍さん(以下:しのさん) たしかに、都会と田舎ではお金や時間の使い方が違いますよね。

 

木島さん 東京や大阪などの都市部に住んでいる人より、実は田舎の人の方が多いじゃないですか。日本って。

だから、今はわざわざ都会に合わせる必要もないかな。と思っています。

最近は「移住ブーム」もあったし、そういう考え方が、一般的に「ファッショナブル」なのかな?っておもいます。

 

── 「ファッション」って言葉自体、世間の流行のことを指しますしね。

たしかに、今、世間的には興味が「地方や田舎」に向いている雰囲気がありますよね。

 

木島さん 世間の注目をもっともっと田舎に惹きつけることができれば、

今、田舎に住んでいる自分たちが暮らしやすくなるんだろうなって思ってるんです。

 

田舎で手に入れた「自分たちのペース=やるべきこと」

左・木島さん 中・OLN井上忍さん 右・OLN井上義浩さん

木島さん とはいえ、私も昔、東京で働いていた頃は、目をギラギラさせて働いてましたよ。

お金をたくさん稼ぐことが良いとおもっていましたし。

ただ、桐生に帰ってきてからはあの頃に戻りたいって、あまり思わなくなりましたね。

お金がたくさんあれば、良い暮らしができるってわけじゃないことに気づいたんです。

移住することが、良いくらしの価値を考える分岐点のような役割になったというか。

 

── なるほど。OLNのお二人も、昔は東京にいらっしゃったんですよね。

 

井上義浩さん(以下:よしさん) そうですね。こちらに帰ってきてからは、15、6年たちました。

今ならはっきり言えるんですが、

僕、東京にいる頃は「田舎」について勘違いしているところもあったんですよ。

「産業的に東京の方が栄えているのは、東京の人の方が田舎の人よりセンスが良くて、仕事を頑張っているから」みたいな。

ただ、田舎に帰ってきて今の仕事をやってみて、そうじゃない。ってことに気が付きましたね。

田舎の人たちも、その土地でやれることをずっと頑張ってきたんだ...と理解できたんですよ。

さらに、桐生の織物業界の先輩から学ばせていただくこともたくさんありましたし、

帰ってきてからは、常に誰かに声をかけてもらってる感じ。

ほおっておかれる感覚はありませんでしたね。

ただ、正直、東京で会社員やっていた時の方が気が楽でした苦笑

本当に、つい最近OLNを始めてからですね。自分たちの時間。ペースのようなものができてきたのは。

 

しのさん ペース...やりたいことをやれている。って感覚に近いかも。

 

木島さん そうか〜...。

私はもともと自分がいた業界の問題を、都会の構造では解決できない。

って思って田舎に来たんですよね。

やりたいことを田舎の環境を使って、独自路線で始めたから、

もしかしたらラクに感じていたのかもですね。

 

よしさん 独自路線が大事と考えているのは、僕も一緒です。

田舎で自分たちが抱えている問題を、他の人がどうこうできると思わなかったんですよね。

ただ、最初はそれに気づけなかったんですよ。

僕が田舎に帰ってきたばかりのころは、状況を正しく俯瞰できてなかったんですよね。

そもそも、繊維の知識や技術がほぼない状態で帰ってきましたから。

ただ、繊維業に実際に仕事をしながら携わって、

地方の優秀な技術を持っている機織屋さんが食えていなかったり、

その技術が叩き売られそうな状況を繊研新聞などで読んで...

現状の機織り業のルールや、やり方を変えない限り、どんどん貧しくなってしまいそうな気がしたんです。

自分の中のゴールは現状のやり方を維持するだけではたどりつけない。

ゴールに辿り着ける様な問題提起を、田舎の現状を通して考え始めたんですよね

で、その中でできたものの一つが「OLN」というものなんですよ。

(つづきます。)

  • この記事を書いた人

酒井 公太

silkypeopleのウェブ担当であり、プランナー。 フリーランスで町おこしや企業のプランニングをなりわいとしています。 天真爛漫な幼い娘の髪を撫でている瞬間が一番の幸せ。ただ、その娘に「おとうさんは、おとなげない。」と言われていろいろと複雑な気持ちになりました。

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