「さくげつ」田口康範さんのプロフィール
京都市出身。前職はアパレルメーカー元役員。
退職後、桐生市の築120年の古民家を再生し、
洋服と食材のセレクトショップ「さくげつ」を、妻・侑希乃さんとオープン。
「作り手の背景が、お客様の頭の中に浮かぶような売り方を。」
をモットーに、日本全国の作り手と出会い、
自分たちが感じた熱を伝えることを大事にされています。
(前回の記事はこちら⇩)
作り手の力をお借りしている立場だから、軽々しく「ものづくり」をしたくない。
インタビュアー酒井:
さくげつでは、服だけでなく雑貨や、地元の野菜なども取り扱っていますが、
最初からこの形にしようとおもっていたんですか?
さくげつ田口康範さん:
最初は、自分のブランドを立ち上げようと思っていたんですが、
前職で何十年もブランドの立ち上げに携わってきた中で、
軽々しくなにか物をつくるのは、嫌だったんです。
なので、今は作り手のみなさんのお力をお借りしながら、
いろいろなアイテムをお店に置かせてもらっているという感じです。
まずはお店を営業させていただきながら、
さらに自分がエネルギーを注ぐべきことを考えている最中ですね。
そもそも前職でやってきた「服」というところ以外でもいいのかな。
と考えたりもしていますしね。
インタビュアー酒井:
確かに。独立してやりたいことは前職と違ってもいいですよね。
さくげつ田口康範さん:
はい。
会社を辞めて時間が経っていない今、また洋服を作ってしまうと、
あまり独立した意味がないのでは...。
と思ってしまうんですよね。
もちろん食べていくためのお金も大事です。
好きなことばかりしても食べていけないですからね。
ただ、その中でもやはりエネルギーをかけるべきところは、今はそこではないと思うんです。
良い野菜を作ってくれている農家さんとの出会いで、このお店はできた。
インタビュアー酒井:
お店に置くアイテムの選択基準はありますでしょうか。
さくげつ田口康範さん:
ベースは実はお野菜なんですよね。
なので、お野菜の雰囲気を邪魔しないかどうかですかね。
あとは、やはり彼女(妻・侑希乃さん)が似合うものかどうか。
という基準はあるかもしれません。
インタビュアー酒井:
奥様に似合うかどうか...。
さくげつ田口康範さん:
はい。店頭に彼女が立った時に、
お店全体の雰囲気がより良くなるようなイメージは持ちつつ選んでいますね。
でも、やっぱり基本は「お野菜」ですかね。
インタビュアー酒井:
野菜を取り扱うにあたって、農家さんとのつながりも必要だと思うのですが、
関係性はどのように作られたのですか?
さくげつ田口康範さん:
桐生に来る前、
東京に住んでいる時、妻が東京の八百屋さんで働いていたんです。
そちらのお店で取り扱っていたのが
群馬の有機中心で育てる農家さんの野菜だったんですよね。
いざ僕らが桐生でお店をやるとなった時に、
妻がもともと「食」に関係したこともやりたいと考えていたので、
その八百屋さんとのつながりから、お野菜の取引が始まったんですよね。
インタビュアー酒井:
桐生に来る前から、そもそも群馬と縁があったんですね。
さくげつ田口康範さん:
はい。
「つながり」がある程度できていることもあって、
今では、どんどん紹介してもらえる農家さんも増えてきていますね。
逆にいえば、群馬以外の土地だったら、お野菜は取り扱えなかったと思います。
インタビュアー酒井:
独立してから、割とスムーズに色々なことが進められているんですね。
さくげつ田口康範さん:
そうですね。
自然と歯車が噛み合っていったというか。
ストップせずに、水がスーっと流れていくように進みましたね。
(続きます。)