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【桐生】さくげつ 田口康範さん「第三回 作る人への尊敬の熱が、お客様へ伝わるように。」

 

「さくげつ」田口康範さんのプロフィール

京都市出身。前職はアパレルメーカー元役員。

退職後、桐生市の築120年の古民家を再生し、

洋服と食材のセレクトショップ「さくげつ」を、妻・侑希乃さんとオープン。

「作り手の背景が、お客様の頭の中に浮かぶような売り方を。」

をモットーに、日本全国の作り手と出会い、

自分たちが感じた熱を伝えることを大事にされています。

⇨さくげつ

(前回の記事はこちら⇩)

作り手への尊敬を「熱」をもって伝えることが、店の存在意義になる。

インタビュアー酒井:
野菜以外のアイテムは、割と日本全国からご夫婦で見にいって、
生産者さんと積極的に触れ合って決めているようですね。

さくげつ田口康範さん:
はい。
僕たちは基本は生産されている現場を見にいって、
生産者と話し、それをお客様に伝えたいと思っているんです。

そこが無いままに、お客様になにかを売るということは、
どうしても熱が入らない。

なので、まずは自分たちが見て、話して、食べて。
美味しいと感じる。

そこから伝えられることをちゃんと伝えていく。
それを、モットーしています。

今はまだ、さくげつでは「ものづくり」はしていません。

そう言った意味では、
さまざまな作り手の方の力を借りてお店を運営しているので、
その「熱をもって伝える」部分がなければ、
僕らの店の存在意義がなくなってしまうと思っているんです。

作り手の背景が、少しでもお客様の頭の中に浮かぶような

そんな売り方をしていかないといけないんじゃないかと思いますね。

それが僕ら夫婦で決めたモットーであり、
お約束ごとみたいになっていますね。

インタビュアー酒井:
生産者さんたちと向き合う時に、なにか心構えのようなものはありますか?

 

さくげつ田口康範さん:
ものづくりをしている方々へのリスペクトは忘れないようにしています。

というのも、
僕も「ものづくり」側の人間になりたいと思っている人間なんです。

実は、学生時代は靴製作の学校に通っていまして、
それと並行して放課後にアルバイトとして
大手のセレクトショップの販売も経験させてもらっていました。

ただ、本当に靴が好きな同級生っていうのは、
昼の時間はずっと「靴作り」にあてて、深夜にアルバイトをしていたんです。
そういう方は今でも靴作りを続けていたりしますね。

僕は学生の時にそこまで出来なかったので、彼らに対する「憧れ」もありますよね。

そういう意味で、ものづくりをしている方へのリスペクトはずっとありますし、
彼らのことを知りたいと思っているんでしょうね。

インタビュアー酒井:
作り手への憧れからのリスペクトですか。

桐生には刺激を受ける「作り手」がたくさんいる。

さくげつ田口康範さん:
とは言っても、僕は作ること自体を諦めているわけではないんです。
自分のペースで、ちょっとずつ、いつか何かを作れたらと考えてはいます。

ただ、
今までバイヤーとして長くやっている時期があったので、
何かをセレクトし表現していく方が得意だったりもするんです。

開店準備をしてから今までは、その特徴を活かしつつ、
お店をやっていくことに注力していたと言えるでしょうね。

写真左・フクル木島さん、写真右・田口さん

インタビュアー酒井:
桐生にも作り手の方が大勢いらっしゃいますよね。

さくげつ田口康範さん:
はい。
それこそ、今日いらっしゃっている木島さんは縫製業などで独立されていますし、
自分の足でしっかりと立たれている方が多いですよね。

フクル木島:
実家の縫製業のことでしたら、
うちの父親はもうすぐ79歳ですが、まだ現役で働いてますよ。
朝から、アイロンとかかけていますし。

見てる側としては、ものすごく安心できますね。
仕事が忙しくないと、逆に不安みたいですよ。

インタビュアー酒井:
すごいですね!

さくげつ田口康範さん:
そのような、スキルを持って長く仕事をやっている方が、
桐生にはすごく多い印象ですね。
本当に勉強になりますし、刺激にもなります。

自立している人がたくさんいると言う意味で、
すごく魅力がある土地だと思います。

 

続きます。

  • この記事を書いた人

酒井 公太

silkypeopleのウェブ担当であり、プランナー。 フリーランスでデザインや企業のプランニングをなりわいとしています。 田舎育ちの東京暮らし。只今、移住を真剣に検討中です。

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