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コラム

蝉時雨

夏真っ盛りですね。

近頃は夜になると庭のヨルガオが開花しています。

水をまいて少し湿った空気の中、ヨルガオの甘い香りがほわんと漂っています。

中国では「夜香木蘭」とも呼ぶように、香りが特徴的な花です。

アサガオを五倍位にしたような大きさで、香りはもちろん、花も見事です。

ただ、一晩で花は終わってしまう儚い花です。

 

蝉時雨

七十二候では大暑の末候「大雨時々行る」

夏の雨が時に激しく降るころ。とされています。

梅雨が明け、猛暑続きで日照りカンカン。

雨どころか、鬱陶しいほどの蝉の声・・・。

にいにいぜみ、あぶらぜみ、みんみんぜみ、くまぜみ、ひぐらし、と

夏の移ろいに合わせて様々な蝉の大合唱を耳にしている方も多いのでは。

まさに蝉時雨。

まるで時雨が降りつけてきたような大音量の蝉の声。

そんな蝉の声も、夏の終わりの頃には音色を変え、

つくつくぼうしのしんみりとした声が胸にしみます。

嗚呼日本の夏。蚊取り線香の香りが漂ってきそうです。

蚊取り線香のぶーりん

蚊取り線香と言えば、豚の器を連想される方も多いのではないでしょうか。

先日ラジオを聴いていたら、なぜ、豚の器なのか。

という話をしておりました。

確かに・・・。なぜ豚。疑問に感じた事がありませんでした。

元々はイノシシの形だったそうです。(イノシシが進化して現在の豚になったそうな)

江戸時代、イノシシは火伏せの神(火災を防ぐ神)と崇められていたことに由来するそうです。

当時は草や木片を燃やした煙を蚊除けに使用していましたが、

火が燃え移って火事になる危険性もあった為、

火伏せの神であるイノシシに似せたのではないかといわれているそうです。

また、その際使用していたのが、徳利や一升瓶の底を抜いたものだったので、

横向きに使用すると、形がイノシシに似ていたからだとか何とか。

徳利が先か、イノシシが先か。

何かと神を絡めたがる風土が蚊取り線香の器に隠れていたとは・・・。

ただ、この豚由来には所説あるそうで、

他には、養豚場で香取線香入れとして使っていた土管の進化系との説も・・・。

所説背負っている蚊取りブタ。

現在はいろいろなデザインのお洒落な器が出回っています。

愛嬌あるブタが安定感あるように感じます。

そもそも、蚊取り線香を使用する方は現代は少ないかも知れませんが、

蚊取り線香の煙は懐かしさや哀愁を感じます。

蚊を寄せ付けないという役割と同時に、

ノスタルジックアイテムとしての価値があるような?!

 

今回もコラムをお読みいただきありがとうございます。

 

 

 

 

 

  • この記事を書いた人

mikko

洋服に関わる仕事をあれこれしたのち、子を授かり現在に至る。 生活環境の変化を機に、倦厭していた土いじりやお菓子作りが生活の潤いになっていることに本人も驚いている。

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