silky people

コラム

こころが「ぎゅううう」

梅がちらほらと咲く季節になりました。

色数少ないこの季節、道すがらに覗く紅梅の華やかな赤ピンクに目を奪われます。

立春を迎えたと言えども、寒さ厳しい2月です。

関東では雪が降り、底冷えするような寒さが数日続きました。

皆様のお住いの地域はいかがでしたか?

あちらこちらの庭先に可愛らしい雪だるまを見かけると、

微笑ましくなり、つくったこどもらを(おとなかも・・・)想像します。

 

そんな事を思いながら、赤信号で何気なく辺りを見ていた時です。

黄色い帽子が目に入りました。

ランドセルを背負ったままの小学生の男の子が、庭先で桶のような入れ物に

そっと雪だるまを移す光景を目にしました。

こころが「ぎゅううう」としました。

 

溶けないように、大事そうに、冷たそうな手で。

ランドセルを置くよりも先に。

 

そういう気持ちをおとなになっても忘れないでいられたらいいなぁ。

と、いろいろ薄汚れてしまった大人は勝手に、一方的に思うもので、

たった数秒間の出来事に心も考えも奪われてしまいました。

 

そして、夕食の献立をすっかり忘れてしまった。

という話です。

 

実際は溶けないように移したのか、何なのか、意図は解りませんが、

雪がなければ見られなかった光景です。

 

寒さの中で人知れず、

春へ向かって着々と、植物や生物が息をして成長するように、

こどもという存在も、

大人へ向かって着々と、親のしらない所できっと成長してゆくんだなぁ。と。

紫陽花の新芽を見ながら思いました。

 

今回もコラムをお読みいただきありがとうございます。

  • この記事を書いた人

mikko

洋服に関わる仕事をあれこれしたのち、子を授かり現在に至る。 生活環境の変化を機に、倦厭していた土いじりやお菓子作りが生活の潤いになっていることに本人も驚いている。

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