「さくげつ」田口康範さんのプロフィール
京都市出身。前職はアパレルメーカー元役員。
退職後、桐生市の築120年の古民家を再生し、
洋服と食材のセレクトショップ「さくげつ」を、妻・侑希乃さんとオープン。
「作り手の背景が、お客様の頭の中に浮かぶような売り方を。」
をモットーに、日本全国の作り手と出会い、
自分たちが感じた熱を伝えることを大事にされています。
(前回の記事はこちら⇩)
「心地よい人との距離感」が桐生にはあった。
インタビュアー酒井:
一般的に「移住」ってとてもハードルが高いように思えるんですが、
最初、田口さんたちは、移住に対してどのようなイメージをお持ちでしたか?
さくげつ田口康範さん:
妻はもともと移住をすることに対して、肯定的なイメージを持っていたんです。
彼女が生まれ育った大分は、かなり自然豊かなところですし、
都会である東京で暮らしていくことに違和感を感じていたみたいなんです。
実は、ここに来る前に一旦、神奈川に移り住んだこともあったんです。
その時はまだ会社勤めをしていましたから、
会社へ通勤もできて、自分たちの畑を持って耕せそうだな...
都心へ電車で1時間半くらいの秦野というところでしたね。
そこに半年くらい住んだ後に、僕が会社を辞めるということになったので。
インタビュアー酒井:
割とすまいを転々としていたんですね。
さくげつ田口康範さん:
そうですね。
正直、保育園に通っている娘には申し訳ないなぁ。と思っていましたね。
今でも言いますよ。
「また、ひっこすの?」って苦笑
インタビュアー酒井:
実は、うちにも5歳の娘がいるんですが、
都心だと保育園に入園させてもらうことが大変だった記憶があるんです。
群馬はその辺りの事情はどうなんですか?
さくげつ田口康範さん:
都心にいた時は、確かに入園させる苦労はありましたね。
ただ、群馬に来た時は、全くその部分では困りませんでした。
むしろ、役所の方がOKと言う前に、保育園の方からOKと言ってもらえるような。
そこは、本当にありがたいなぁ。と思いましたよね。
インタビュアー酒井:
それは、いいですね。
さくげつ田口康範さん:
こっちに越してきてからも、子供達は楽しく過ごしているので、
結果的に良かったのかなと思いますよ。
インタビュアー酒井:
子供にとって一番良かったと思える部分ってどのようなところですか?
さくげつ田口康範さん:
都会にいた時よりも、人と触れ合う機会が増えたと思いますね。
お店の前にお住まいのご夫婦も、ものすごく仲良くして頂いて、
子供達がお家に遊びにいくんですよ。
僕らがどうしても手が離せない時に、
子供の面倒を見てくださったりするんです。
そういった人とのふれあいが出来るのも、東京にいた時とは違いますよね。
インタビュアー酒井:
ご近所付き合いが、良い意味で濃くできているんですね。
さくげつ田口康範さん:
東京ではなかった「回覧板」というものも、
桐生にはありますしね。
それをお渡しに行く時に、
近所の方とちょっと顔を合わせてお話ししたりとか。
僕自信も近所付き合いが前よりも濃くなりました。
そうやって顔をあわせていると、みなさんお店にも来てくれるんですよね。
インタビュアー酒井:
接触回数が増えることで、良いつながりが出来あがっていくんですね。
さくげつ田口康範さん:
そうですね。
桐生の人って人との距離の取り方が上手な方が多いと思うんですよ。
日常でそんなに深くまでは入ってこないけど、僕らのこと気にはしてくれていますし。
気軽に
「困ったら声かけてね。」と言ってくれるスタンスで付き合ってくれるのは、
本当にありがたく思っています。
(終わります。)