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「ここでの暮らしは良いんだよ。」と淡々と勧められることのリアルさ。|第二回【桐生】「__ito__ 」門井里緒さん

「心地よさを大事にしたい。」

アパレルデザイン以外にも、ディレクションや、

ロゴデザイン、カリグラフィーのお仕事まで手がける「__ito__ 」門井里緒さん。

彼女の話を伺っていると、会話の端々に「心地よさ」という言葉が出てきます。

いわゆる大手企業で実践を積んだ上で、あえてその積み上げたものを手放してゼロの状態からフリーランスに。

それも「自分が心地よく働くには...」ということを追い求めた結果なのかもしれません。

自分が作ったものを使ってくれる人との良い関係性を築きたいから、作る自分も心地良い形で手を動かす。

働くことの意味を最近考えてしまうあなた、門井さんのお話をちょっと聞いて行ってみませんか?

「__ito__ 」門井里緒さんのプロフィール

大手アパレル企業 数社でデザイナーを経験した後に独立。

自身の個人ブランド __ito__ に加え、企業との業務提携など様々なブランドのデザインに携わっています。

2019年9月より夫の大小さんと共に、群馬の桐生に移住。

『ファッションオープンアトリエ』×『ボードゲームスペース』の『ふふふ』の経営にも携わっています。

__ito__ 

ふふふ

 

仕事で訪れたはずの桐生だったが、気づけば移住の内見をしていた。

インタビュアー酒井(以下 さ):
桐生に移住する前には、いろんな産地を巡っていたんですよね。

 

門井さん(以下 か):
はい。

アパレルという職業柄ですが、いろんな産地をめぐる機会が多かったんですよね。

夫もさまざまな産地を巡っていました。

二人ともフリーランスになったことで住む場所の制限もある程度無くなった中で、

「いつか繊維産地に住めたら良いね」なんてふわっと話すようになったんです。

でも、それは具体的な話しではなかったのですが...

桐生に出会って、移住するのが思ったより早まったという感じはありますね。

 

さ:
それが早まったきっかけってなんだったんでしょう。

 

か:
フリーランスになってから、以前もこのサイトでインタビューされていた、SILKKIの川上さん。

彼女と旦那様のウェディングの衣装を作ってほしいと依頼を受けて、仮縫いの打ち合わせで久しぶりに桐生を訪れたんです。

その時が2回目の桐生訪問で。川上さんと出会ったきっかけでもある、初めて桐生を訪れた数年前には、夫や東京の友人たちと一緒に色々な工場さんを巡ったんですよね。

その時には時間がなくて街を周れなかったので、今回はお店を周ろうと夫も誘って骨董市の日に駅のレンタサイクルを借りて桐生の町巡りをしてみたんですよ。

そしたら、想像以上に人もお店も雰囲気が良くて。

行く先々で、「桐生での暮らしはどうですか?」って聞いてみたら、

「ここでの暮らしは、良いんだよね。」

と、本当に淡々と言われる方が多かったんですよ。

なんかその淡々とした感じが、ものすごくリアルだな!ってしっくりくるものがあって。

逆に声高な感じがないのが良かったんですよね。

 

さ:
確かに、信憑性がありますよね。

 

か:
そんな言葉を聞きながら周るうちに「桐生って街や人もいい温度感だね」となってきて。

その様子を見たSILKKIの川上さんが、桐生のセレクトショップである「st company」のオーナーを紹介してくれまして。

話しているうちに「うちが移転前に使っていた場所、内見したら?」と勧めてくださって...笑

 

さ:
出会って、その日に内見を勧められたんですね笑

 

か:
ウェディングドレスのことを話に来たはずなのに、気づいたら、私たち、物件を内見しているという笑

そのタイミングで、「これはご縁だ、流れに身をまかそう!」と思えたんですよね。

それで夫婦二人でもうこれは行くしかない、行こう!ってなって、それから半年経たずに移住していましたね。

 

さ:
住んでいる人に声をかけられたから、移住の話も進んだんですね。

 

か:
本当に桐生はそこがすごいと思うんですよ。

全然、閉鎖的じゃないんですよね。

かといって、

手を無理やり引っ張られて、おいでおいで!!って感じでもないんですよ。

人と人との距離感がすごい心地いいんですよね。

強要されたり、窮屈な感じが一切ない。

さらに、いい意味でおせっかい。地元の方も移住者の方も、みなさん本当に親切で温かいんです。

風通しのよさを感じるのが桐生の人たちの魅力かも知れません。

 

刺激をもらえるプロフェッショナルたちに、自転車で会いに行けてしまう街、桐生。

さ:
移住を考えている人たちには候補の大きな理由になりそうですね。

 

か:
私たちの友人も、何度も遊びに来てくれる人が多いですね。

その時の桐生にくる理由が観光じゃないんですよね。

なんというか、ふっと息抜きに来ているというか。深呼吸をしに来ているような。

あとはさっき言ったように、面白い人や場所がたくさんいるので、

来てみたら一泊二日じゃ時間が足りないと言ってもらえる事も多いんです。

 

さ:
桐生に拠点を動かしたことによって、仕事で影響が出たことはありますか。

 

か:
私の場合は良い影響がすごく多くて。

桐生って服を作る上での必要なことが、ぎゅっと詰まっている産地なんですよ。

これって他の産地ではなかなか考えられないことで。

なにか一つのことに特化した産地が多い中、

織物や縫製、様々な加工などコンパクトな範囲に色々な種類の工場さんが集まっているんです。

それこそ自転車で行ける距離に。

何かを作りたい時に相談できる各分野のプロの方々が近い距離感にいらっしゃることは、東京では無かった環境ですね。

あとは、「自然が近くにある」というのも感覚的に大きいかもです。

製作するうえで、生活の中に自然が入り込むことによって、インスピレーションを受けることは多いです。

 

さ:
良い人にも、良い自然にも触れられる場所...。確かにものづくりには良さそうですね。

続きます。

前回の記事はこちら↓

 

  • この記事を書いた人

酒井 公太

silkypeopleのウェブ担当であり、プランナー。 フリーランスで町おこしや企業のプランニングをなりわいとしています。 天真爛漫な幼い娘の髪を撫でている瞬間が一番の幸せ。ただ、その娘に「おとうさんは、おとなげない。」と言われていろいろと複雑な気持ちになりました。

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