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コラム

秋の西陽がおしえてくれたこと

 

晩秋の朝。湿った冷たい空気が目を覚ましてくれます。

近所の田畑の稲刈りもほぼ終わったようで、

10月に入ってからは朝、気球を見かけることも多くなってきました。

あれよあれよという間に、公園の木々の葉が落ち、

銀杏が大分色付いてきました。

 

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まわり道

通勤、通学、皆様は毎日通る道順にこだわりはありますか?

同じ派ですか?気分によって変える派ですか?

ちなみに私は同じ派です。

自宅から目的地、そして目的地から自宅まで円を描くようにぐるぐると、

行き帰りは別の道ではありますが、ほぼ同じ道をぐるぐる車で走る日々です。

 

先日、こどもの送迎ルートをいつもと逆ルートにしてみました。

急いでいない日ということもあり、いつもと違う道を走りたくなったのかと思います。

 

青い空に白い雲。秋の西陽が美しく。心が穏やかになるような風景に心奪われ

(運転中は余所見はいけません)

車を走らせていると、ピンクと紫が絡み合った絨毯のような場所が、刈り込まれた田んぼの中に見えました。

 

寄り道コスモス

紫ピンクの絨毯はコスモス畑でした。

道路からはうっすら見える程度のコスモス畑。

稲刈りが終わったから目立ってきたのかも知れませんし、

西陽があったからこそ、その部分が鮮やかに目に映ったのかも知れません。

何にせよ、見つけて大興奮。

これは行くしかない。

こどもを迎えに行った後に大急ぎでコスモス畑へ。

細い道でしたが、坂道を登るとそこには開けた広い場所があり、

見事なコスモス畑でした。そうして辺りを見渡すと、のぼり旗がゆらゆらと。

芋掘り農園とかいてありました。

娘に話を聞くと、娘の通う園で実施された芋掘りの場所でした。

芋掘りをしてこのコスモス畑を眺められたらみんなきっと喜ぶだろうな。

農園の方のあたたかい気持ちを感じられる場所でした。

勝手に花を取るのも申し訳ないのでその日はぐるぐると花畑を周り、

イヌタデを摘んで帰りました。

 

コスモスからの贈り物

 

コスモス畑。翌日も天気がよく、またまた寄り道。

自宅に帰ってやるべきことは色々あるのですが、

家事もろもろや夕食のあれこれよりも、

きれいな夕暮れの、今ちょうど見頃のコスモスを楽しむ方が何倍も大切。

という言い訳でアレコレ手抜きしようと考えながら、例のコスモス畑に行くと

軽トラックで帰る途中の年配ご夫婦に遭遇しました。

この農園を営んでいるご夫婦でした。

たわいもない会話をし、掘ったばかりのサツマイモとお煎餅をいただき、

コスモスを好きなだけ摘んでいってねと。

こんな出会いもあるのかと。

見ず知らずの親子にこんなに優しくしてくれるのは、ご夫婦の人柄や土地柄など色々でしょうが、

あたたかい人との出会いができたのは、コスモスと娘のおかげです。

優しくてあたたかい気持ちになれたのはコスモスからの贈り物でしょうか。

その後、娘は嬉しさ全開。

コスモスを沢山摘ませてもらいました。

帰宅後、花瓶に飾り、猫の仏壇に供えてくれました。

辛い事や悲しい事の後には嬉しい事もある。

 

晩秋の何気ないひとこまです。

 

 

今回もコラムをお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

  • この記事を書いた人

mikko

洋服に関わる仕事をあれこれしたのち、子を授かり現在に至る。 生活環境の変化を機に、倦厭していた土いじりやお菓子作りが生活の潤いになっていることに本人も驚いている。

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